猫のあくび 文具と猫と日常と

文房具の話や趣味のハンドメイドなど好きなコト語ります…

矢崎存美著「ぶたぶたラジオ」

ぬいぐるみが喋ったり動いたりって、1度は夢見た事ないですか?ぶたぶたさんは、そんな不思議なぬいぐるみです。不思議なぬいぐるみだけど、普通に現代日本に暮らしているのです…。しかも、料理も上手くて健啖家でお酒も好きで、奥さんと娘が2人いる良いお父さんでもあります。

ぶたぶたさんを初めて見た人は、逃げるか普通に受け入れるか二種類いるみたい。まぁ、普通に考えたら逃げる気持ちもわかりますが^^; でも受け入れられる人達も大勢いて、ぶたぶたさんはそんな人達には人気物です。冷静に考えれば受け入れられる人ってそうそういなさそうな気もしますが…「不思議な事」を自然と受け入れる事が出来るっ人はかなり柔軟な思想の持ち主ですよね。

とりあえず、そんなぶたぶたさんが活躍する「ぶたぶたさん」シリーズがとても好きです。心が弱ってる時に読むと、ふっと力が抜ける気がするのです。可愛いくて渋くてかっこよくて読書家のぶたぶたさん、是非お友達になりたい。本当に出会ったらしばらく固まりそうな気がするけれどw

今回の話は「ぶたぶたの本屋さん」の続きになりますが、読んでなくても特に問題ないです。「ブックカフェやまざき」を経営するぶたぶたさんは(山崎ぶたぶたといのが、フルネームです)コミュニティFMの番組で本の紹介コーナーを持っているのですが、それがきっかけで今度は東京のAMラジオの朝のお悩み相談コーナーを担当する事に…というのが今回のお話となります。

いつもの連作短編形式なので、登場人物の視点は変わって行くのですが、みんなそれぞれ多かれ少なかれ悩みを抱えてて(まぁ、当たり前ですが)それを、ぶたぶたさんに相談する事で解決したり、楽になったり。

悩みって悩んでる時は視界が狭まってて、本当に自分ではどうしようも無くなることが多いですが、ふと立ち止まって見方を変える事が大事だよなぁ…と読みながら思ったりしました。ぶたぶたさんの答えは、決して悩みそのものを解決するものではないけれど、見方を変えて楽になる術を教えてくれる気がするのです。

個人的に印象的だった言葉は「たとえ親子でも相性がある」って話でした。血が繋がってるからこそ、その相性の悪さが苦しくなる事ってあるよな…と。仲が悪いと言うわけじゃないけどなんだか噛み合わなくて、嫌いという程じゃないけどなんだか心に刺さる言葉が多くてしんどくなったり。親子だからこその悩みと言うか…他人だったら開き直って距離を置けることも親子だと出来ないとか。私も似たような事を思った事があるので、妙に納得してしまいました。

あと、あるぐちゃぐちゃとした悩みを抱えてる人にむけて「悩みは分けて考える」っていうぶたぶたさんのアドバイスがあって、悩みを分割していき何が一番大事なのか考えるというのは確かに重要だなぁと…なんだか、本を読みながら自分もそのラジオを聞いているような気分に…。

私もぶたぶたさんに、悩みを聞いて欲しい。誰にも言えないような悩みでも、なんだか彼になら話せるような気がするのです。